ひねもすミシン

人生日々ぶつかり稽古 洋裁作品をUPしています。 他に旅行記や闘病記なども。

展示会へ行ったよ

誕生110年 東山魁夷展に行って来ました

国立新美術館へ東山魁夷展を観に行ってきました。
20分前に、会場へ着いたのですが、チケット売り場、
会場入り口にも行列が出来ていました。

DSC_0156

私のお目当ては、唐招提寺御影堂障壁画でした。
2005年上野に「唐招提寺展」に行ったとき、
完全再現された、障壁画「濤声」「山雲」の美しさに心を
揺さぶられてからというもの、東山魁夷の絵が好きになったのです。

今回も、その障壁画が完全再現されるというので、
開場とともに、障壁画をめがけて進みました。

左手の壁のアプローチを抜けると、
そこは仄暗い照明の中に、あの「濤声」があった。
「また見られた」と呟いてしまった。
右手からの猛々しい波が、岩にぶつかり
尚も進み再び岩にぶつかる。
左手に進めば、大波はいつかしか、穏やかな波に変わり、
浜辺に到達している。
まだ、数人しかおらず、自分の視界には、
海の青、蒼、碧 緑青のあおの世界が広がる。

視界を動かせば、目の端に入る波が、本当に動いているようで、
場内の静けさが、波の音のようにも聞こえる。

「山雲」
この絵を見ると、森の神秘的な風景が心に染みる。
雨に降られて、雨宿りしながら見た、山々の風景を思い出す。
心が浄化されていく感じがする。

ベンチに腰をかけて、しばらく「濤声」を眺めた。
まばらな人の間、視線だけを泳がせ、その世界観に浸った。

しばらくすると、徐々に人が増え始めたので、
入口に戻って、最初から鑑賞した。
絵は比較的におおきなものがおおいので、
人が多くても、ストレスなく見ることができる。

「残照」を見て、というより
引き寄せられて観る人が大勢いた。
「道」の前は特にそうだった。
行く道、あの道の向こうには、何があるのだろうか・・・
という感情よりも、私はその時「振り返って見た道」に見えたのだ。
音声ガイドでも、東山先生が「振り返って見た道でもよい」と
言っていたのだ。
そうか、その時見る側の感情によって、
行く道、来た道、どちらに見えるかで、自分の感情に気が付く。
だからこれほど、人を引き付けるのかと思いました。

今回音声ガイドで、モーツァルトの曲だけを流すトラックがあった。
それを聞いていて、自分のウォークマンを取り出し、
東儀秀樹さんの「蒼き海の道」を聞いた。
「唐招提寺プロジェクト」のテーマ曲だ。

この曲を聴きながら「濤声」を鑑賞した。
「いいっ、これはいい」曲が終わるまで鑑賞し、
再び入口まで戻って、曲を聴きながら鑑賞した。
幻想のアプサラ
聖家族
New ASIA
大河悠久
絵と曲が重なって、涙が出そうになった。
素晴らしい展覧会でした。

『一人に浸れる』

横山崋山 展に行って来ました

東京ステーションギャラリーで開催中の
「横山崋山」展に行って来ました。

東京ステーションギャラリーも初めての場所でしたが、
とても雰囲気のある、素敵な美術館でした。

DSC_0107

「美の巨人たち」が好きで、ほぼ毎週見ているのですが、
今回「横山崋山」の「紅花屏風図」の回を見て、
とても驚き、早速行ってきたしだいです。

伊藤若冲と同じ、先に海外で評価され、
その後、日本でも知られるようになったとか。

行った日は日曜日で、しかも「紅花屏風図」の展示の
最終日であったため、かなりの人がおられました。

テレビで紹介されたいくつかの作品がありました。
9歳の時に書かれた、牛若丸と弁慶の絵は、
とてもその年代で書いたとは思えないほどの構図でした。

四季山水図などを見たところ、家屋や、簡略化された人物、
松の木なども、筆で書かれたようには見えず、
フェルトペンか何かでかいたような、ポップな感じに見えました。
家屋の線などは、定規かなにかつかったかのように、真っすぐです。

しかし、山河の描写は、水墨画の世界観そのもの
なので、とても不思議な感じに、
いつまでも見ることが出来ました。

「唐子図屏風」は、金箔の上に書かれた子供たちが
浮き上がって見え、表情豊かな表現は、
本当に動いているように、また声が聞こえてくるようでした。

テレビで紹介された「紅花屏風図」の前は、
順番待ちの列が出来ていました。
根気よく待ち、それを見られたときは、
「すごい・・・」という言葉しか出てきませんでした。

全部で220人もの人物が描かれていますが、
それぞれ、働く様子や、語らう様子、喧嘩している様子、
それを四季折々に書かれており、アルバムを見るような
感じで、その村の一年をみるようでした。
「何時間でも見ていられる」そんな絵でした。

そして、上下巻合わせて30メートルもある、
「祇園祭礼図」は圧巻でした。
巻物の幅を利用して、祇園祭の様子を描いており、
V字に背景を描くことで、街並みを再現していたり、
山鉾はトリミングして描くことにより、動きを表現
しており、それに合わせての人々の様子が、
事細かにかかれていました。

表情豊かに、よそ見をしている者、鼻をかむもの、
大笑いしているもの、当時の祭りの様子が、
生き生きと描かれていました。

この下書きの絵も展示されていました。
大まかなスケッチの上には、びっしりと
観察した時の文が書いてありました。

これだけ細密に描くには、これだけの観察眼が
必要なんだと、その書き込みの多さに驚きました。

最後まで楽しむことができた展示会でした。

これから、この人の展示会も、
大行列ができるようになるんだろうなと思う、
そんな展示会でした。

DSC_0089

ギャラリー内も素敵でした。

DSC_0090

昔のレンガをそのまま利用した壁。

DSC_0093

フロアの表示もおしゃれ。

DSC_0105

北口のドームも、上から見られて
とてもいい雰囲気です。

『見ればわかる!』

「大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」に行って来ました

10月に入り、何かと時間を取れるようになったので、
気になる美術展に連続して行って来ました。

東京国立博物館で行われている
大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」に行って来ました。 

快慶と聞けば、行かない理由はありません。
快慶だけではなく、慶派の定慶・行快の作品があります。

今回は、平成館での展示ではありますが、
特別第3.4室のみ、片側(エスカレーター左側の展示室のみ)
だけの展示規模となっていました。

あれ・・・ちょっとこれは・・・と
あまり期待できないのかと思ったところ、
大変すばらしい内容の展覧会となっておりました。

寺院内では、別々に安置されているそうですが、
釈迦如来坐像とそれを取り囲む、釈迦の10人の弟子
「十大弟子立像」が、10体揃って初公開となりました。

中央に座しておられる、釈迦如来坐像は、
快慶の弟子、行快の作。
そのお顔は、切れ長の目が涼やかに、とても美しい顔立ちです。
仏像の顔が美しくて、見惚れることがありますが、
久々に「この美しさは別格」と思うほどのものでした。

しばらく、顔面直視で動けませんでした。
360度ぐるりと拝見することが可能。
しかもガラスケースなしなので、床に光背の影が落ち、
その影も幻想的なものになっています。
影を踏まないように移動すると、
十大弟子の像が、お釈迦様を見守るように
配置されています。

その中の「木犍連」像は、長老の神通第一
いざという時は、超能力が使える方だそうです。
この方の像がとにかく、すごみがあり、
今だに、修行中でそこに佇んでおられる・・・という
感じに見え、そのリアリティーのすごさと言ったら、
今存在しているようでした。

各それぞれの頭の形にも特徴があり、
それは頭蓋骨感がでており、生きているようでした。

次の展示室では、六観音が展示されていました。
六観音は、地獄をはじめ六道に堕ちた人々を救ってくれるそうです。
光背も、台座もほぼ初期の姿で見られるのだとか。

横一列にならんだ、菩薩様たちのお姿は圧巻であります。
その世界観に紛れ込んだようでした。
美しい光背は、10月28日まで、その後は光背を外して
背中も間近に見られるのだとか。

それは・・・
宝塚歌劇団の大階段を、トップスターが、
大羽を背負わずに、歩いてくるようなものじゃないですか!
迫力が違う、煌びやかさが違う!

仏像に煌びやかさを求めてはいけないのかもしれませんが、
この美しさをご覧ください。

DSC_0085
    聖観音菩薩立像

DSC_0071

DSC_0068

こちらの聖観音様だけ、
特別に写真撮影が可能でした。

この光背が外されたら・・・
ちょっと残念ですよね。

小規模ながら、素晴らしい展示の数々。
平日でしたが、あまり混みあうこともなく
ゆったりと観られた、久しぶりによい
展示を見ることが出来ました。

帰りに、東洋館にたちより、
ミュージアムシアター「江戸城の天守」を見てきました。
こちらもおすすめです。

『影の美しさもあり』

ポーラ美術館アネックス 野口哲哉 展

友人と旅行の打ち合わせをした後、
銀座にある、ポーラ美術館アネックへ、
野口哲哉さんの展覧会を見に行きました。

00091256

以前、ぶらぶら美術館で、
野口さんの練馬美術館での展示会の回をみて、
期間中に行きたいと思っていたのですが、
日程が合わず行けずじまい。
今度はいつやる?いつやる?と待っていたら、
いつの間にやら、4年もの歳月が流れていたようです。

このポスターを見た時には、飛び上がるほど喜びました。
そして、勝手な想像で、子供だと思っていたら、

1532247765289 (1)

むっちゃ、おっさんでした(笑)
しかも、口紅でハートマークを書いていて、ラブリー。

~中世より愛をこめて~という題が付いている今回の展覧会。

1532329361568 (1)

レンブラント風の肖像画や、フェルメール風の描写の絵があったり、
宗教画風や、イコン風なものまである。
小さい額縁には、汚しがあり、
薄暗い室内で適度な照明を当てられていると、
本当にその時代の物のような気がするので、
見ていて、ふふふっと思わず笑みがこぼれてしまう。

また、ご本人が書いている、解説を読むのも楽しい。

甲冑のつくりは、その当時の技法そのものだと聞いた。
しかし着せられている、人形たちは、うつむき加減で目がうつろだったり、
猫背でうなだれていたり、挙句の果ては、台に座って頭を抱えている
武士もいる。そりゃそうだろ、頭を抱えたくなるときも
あったろうさ。と、思わず共感したくなる、この妙な気持ち。

小さい展示スペースで、入場料は無料。
しかも、カメラOKのようでした。

日曜日の午後に行った割には、空いていましたが、
これから口コミで、どんどん混みだすのでは?と思います。

9月2日まで展示しているそうなので、会期中、
二度、三度と、足を運びたいと思います。

『思わず話しかけたくなる』

安藤忠雄展 国立新美術館

本日、振替休日のため国立新美術館の安藤忠雄展に行ってきました。

今年の夏に直島を訪れたのだが、その時の安藤先生の建築美に
圧倒されて、今回の展覧会は見逃すわけにはいかないと思いました。

もともと、安藤先生の建築物には、興味があり、
またとても好きだったので、インタビュー記事や、
特集番組などがあると、そのたびに見ていた。

安藤先生の人柄にも惹かれ、その受け答えの面白さが好き。
今回の展示会の音声ガイドには、説明と
本人コメントが聞けることもあり、大変楽しみにしておりました。

建築のドローイングや、模型、実際の建築物の映像がセットになっており、
ひとつ、ひとつ丁寧に見ていくと、時間がかかる。
あまり混雑はしていなかったので、ゆっくり見ていけたが、
順序など気にせず、空いているところを見ていけるので
混雑していたとしても、さほど気にならないのではないだろうか。

建築物の映像を見ていると、無機質なコンクリート素材や
鉄骨でも、光と影などと合わさると、荘厳さが出るのが
面白いところだった。

教会シリーズや、寺院や頭大仏など、信仰を対象としている
建築物がとても興味深かった。
一切の装飾的なものが排除されているにも関わらず、
見た瞬間に劇的な場面に遭遇したような気持になる。

P1120988

今回の展示会の目玉は、光の教会の原寸大の展示だろう。
屋外に建ててしまったのだ。

今回、こちらは写真撮影が可能だったので、
午前中の人がまばらな時間帯だったので、
運よく、人が入らず撮ることができた。

実物は、ガラスがはめ込まれていて、室内になっているが、
本人はガラスをはめこまないプランを提案したそうだ。
信者側から「寒いでしょう」という反対にあい、
仕方なく、ガラスをはめ込んだらしいが、本人、いまだに
「いつかとってやろうと思っています」とコメント(笑)

「寒ければ、身を寄せ合って祈ればいいんですよ」的な
ことを言っていました。

不便さを、住む人が考えながら工夫して住む。
住む人も体力勝負で住む。

住吉の長屋では、中庭があり、
部屋への動線で、外に出なければいけない。
以前見た、インタビューで、
「雨が降ったら、どうするんですか?」という施主の質問に
「傘をさせばいいじゃないですか。中庭の切り取られた
この空が、あなたの物になるんですよ」という答えに
感激してしまった。

直島のベネッセハウスに行ったとき、
同じように、中庭があり、
そこに磨かれた巨石がおいてあり、
寝そべりながら空を眺めたのだ。
あの何とも言えない感覚。
私だけの空になっていたのか。
不便さと引き換えに、空を手に入れるのだ。

P1120978

コンクリートの隙間から、風が吹いてきた。
確かに寒い・・・が
自然が信仰だった時代もある。
十字架から神の息吹を感じるのも素敵だなと思う。
が、確かに寒い。

移り行く光を一日楽しみたい。
夜はどんな風景が見られるのだろうか。

P1130010

直島プロジェクトの展示も、写真撮影OKだった。
直島では黄色いカボチャを撮れなかったので、ここで撮りました。
直島全体の模型。


P1130003

地中美術館の全容です。
一度建てて、再び埋めなおしたそうです。

P1130017

光の教会のクリアファイル。
十字架のところがシースルー構造。

『光と影とコンクリート』
プロフィール

しろみ

記事検索
QRコード
QRコード
月別アーカイブ
  • ライブドアブログ