大変快適なホテルでありました。
時間があれば、ホテル周辺の川べりも散策したかったのですが、
それもかなわず、というくらい、ギリギリまで寝てましたね。
ホテルから八戸行きのシャトルバスも出ていたが、
途中下車が出来ないので、JRバスを利用して
最後の目的地、十和田市現代美術館へ行った。
美術館では、受付にて、キャリーバックを預かってくれるので
安心して見学することができた。
今回私が見たかったのは、ロン・ミュエク氏作 「スタンディング・ウーマン」
ハガキより
身長4メートルもあるこの彫刻。
ちゃんと独立して立っています。
材質などはよくわかりませんが、
それは、人間そのものの質感であり、
蝋人形とも違います。
毛穴もきちんとあり、腕のよじった時にできる
皮膚のシワと毛穴の開き具合まで精密に表現されており、
掌の赤味なども表現されていて、体温を感じます。
入口すぐにあるので、そこで立ち尽くして見入ってしまいます。
基本、ひと部屋に1作品なので、ゆったり見ることができます。
館内外にも作品があるので、部屋移動のときに楽しめます。
次に興味深かったのはキム・チャンギョム氏の「メモリー・イン・ザ・ミラー」
映像作品なのですが、壁に投影されたものが
よく見ると立体的に見えるのは、実際に置かれた白い水槽や家具に
映像が映るからだった。
鏡の中に映る風景は、人や時により、徐々に変化していくのだが、
ぼぉーと見ていると、いつ変化したのか気が付かないほどだだ。
それはまるで「アハ体験」のよう。
目的は、スタンディング・ウーマンだったが、
意外なことに、一番私が気に入ったのは、
ハンス・オプ・デ・ビーク氏の「ロケーション(5)」でした。
パンフレットより
部屋の中は暗く、手探りで部屋の中に入るようで怖かった。
徐々に目が慣れてくると、そこはドライブインのダイナーカフェ内だとわかる。
しかし、すべてが黒に塗られているので、漆黒の闇の中だ。
店内の薄明かりはオレンジで、窓に広がるのは人気のない
高速道路のジオラマだった。
高速道路の照明も薄明かりのオレンジで、実際、
カフェのテーブル席に座って、外を眺めることができる。
ジオラマなのだが、その精巧な作りと、何処までも続くハイウェイ
に惹かれて、見入ってしまう。
BGMには、ラジオが流れている。
何時間でもいられるような気がする。
主なテーブルは3つあるが、入口入ってすぐのテーブルの方が
ハイウェイの何処までも続く、道が見られて良いアングルだと思う。
ジオラマが現実の風景に見えて、もしかしたら、車が一台
あちらから来るのではないだろうかと、孤独感を楽しみながらも、
希望をもたらす、期待感をも産み出すような、不思議な感覚に陥った。
栗林隆氏の「ザンプランド」も大好きな作品になった。
パンフレットより
アザラシが首をつっているよな奇妙な部屋だった。
実際、テーブルの上には、天井の穴をのぞけるように椅子が置かれていた。
人間も天井の穴に首を突っ込んでいる様子は
アザラシと同じであった。
順番待ちして、覗く人々。しかし、何か声を発するわけでもなく
ニコニコしながら無言で降りてくる。
私の番になり、足元には水がこぼれていた。水?と思い
中を除くと「うぁぁー。むふふ」という感想。
だから水なのか。よくみたかったら、ふぅーと息を吹いてみることをお勧めします。
作品は触ってはいけないのですが、アザラシの尾ひれは
人が触った手垢で、少々汚れておりました。
草間彌生さんの作品は、広場にありました。
結構可愛かったですね。他にもたくさん不思議なオブジェがありました。
ショップとカフェが併設された建物。
こちらの壁面は奈良さんの作品。
私たちが帰った後に、こちらの美術館で奈良さんの特別展示が
始まるとか。時を同じくして青森県立美術館でも特別展示会が。
残念なことです。しかし、展示準備の様子を、入口付近で目撃。
あぁ、本当にざんねんだ。
カフェでお茶をしました。
ケーキまで可愛い作品です。
ショップはもう少し大きなスペースでもよかったのでは?と思います。
お土産に「ザンプランド」のパンフレット写真と同じ
クリアファイルを買って帰ってきました。
しかし一番欲しかったのはこれ
ペンギンの形をした巨大バック?
売り物ではなかったようで、正札が付いていませんでした。
これに羽毛布団をいれて、見せる収納をしたかった。
一時間ちょっとで館内は、十分見られるでしょうが、
ゆっくりと見てカフェでお茶をしたので、2時間弱いましたでしょうか。
JRバスの時間では、八戸駅での乗継がギリギリになってしまうので、
ローカルバスを使うことに。
八戸駅まで一時間ちょっとでした。
駅に着くと、土砂降りの雨に。
しかし、本当にあっという間に晴れ間。
最初に、新幹線で青森へ行ったとき、八戸駅では土産が買えないのでは?
と、思うほどひっそりとしたホームに、ホテルでしこたま買い込んでしまったのですが、
駅ビルが併設されており、お土産コーナーも充実してました。
新青森駅より、よっぽど買えましたね。
さて、これで夏の旅行も終わりです。
初めての場所では、必ず雨が降る。というジンクスも
今回は当たりませんでした。
全日程、呆れるほどの晴れ晴れ晴れ。
晴れ男のととさんを連れて行ったからでしょうか。
多分そうだと思います。
楽しかったね。
帰りの新幹線では、綺麗な夕日が見えました。
あの先にはととさんがおります。
『やっぱりなぁ、ととさんが一緒だったから晴れたんだ』と思うのでした。
『お疲れ様でした』