それは十数年前のこと。
両手では数えきれないほど前のこと。
私たちは湯布院へ観光に来た。

ハウステンボス目当てで、湯布院にも興味があったので、
日帰りで湯布院観光をした私たち。
まだ、お子ちゃまだったので、湯布院に泊まれるほどのお金もなく、
それでも、話題になりつつあった湯布院、
日本女性のだれもが憧れていた、湯布院に行った。

あの時の街は、何処に行ってしまったのだろう。
ここは何処?ここは湯布院ではなく、単なる商店街でしょ?

「湯布院に宿泊ですか?冗談で御三家の宿をリストに入れて
日程の全料金を出してみますか?」
そう言ってくれた、旅行代理店の店員さん。
思っていた以上に安かったので、あこがれの湯布院の宿
「亀の井別荘」さんに決定した。

携帯から、バスの到着時間を知らせると、
迎えに来てくれた。湯布院についたのは、17時45分。
こんな時間にも関わらず、道には人が溢れていた。

路地的な道を進む両側には、似たり寄ったりの土産物屋が並んでいる。
土産物屋の問屋から仕入れて売っている感じの、
何処の観光地に行っても、必ず目にするシリーズの土産が並んでいる。
しかも、何件も何件も同じものを売っている。

「湯布院って、こんな感じでしたっけ?もっと田園風景が広がっていたような」
「あぁ、この10年くらいで、随分と変わりましたよ」

人の間をゆっくりと縫うように進む車。
車窓に広がるのは、迷惑そうに睨みつける観光客。

車寄せから降りて、宿泊者専用の門より中に入れば、
自分のみすぼらしさが際立っているような、
申し訳ない気持ちで入るのは何故だろう。

すぐに部屋へ案内され、部屋でチェックインを済ませる。
部屋は、本館のツインルーム

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山小屋風の可愛い部屋だった。

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決して、広いとは言えない部屋だが、妙に落ち着き、
家具も、アンティークなもので、長年使い込まれている
自分の家のような感じの雰囲気が出ていた。

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檜風呂です。大浴場もありますが、ここでも十分です。

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部屋の鍵まで可愛いのです。

大浴場は、別棟にあるのですが、
浴衣を着て、ロビー横で桐の下駄に履き替えて行きます。
ちゃんと、お部屋別に下駄箱があります。

下駄箱まで可愛い。
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大浴場の気持ちいこと。
湯船に入って、一段高いところに腰を掛けると、肩のところに石の縁が当たるのですが、
それが、とっても温かくなっていて、岩盤浴の効果が。感動です。

ダイニングに行けば、これまた雰囲気が良く。
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浴衣で大丈夫?という雰囲気でしたが(笑)

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シャンパンを頼みました。
無理はしていません。
もう、十分大人ですから。

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魚があまり好きではない私が、久しぶりに
「美味い!」と言ったので、友人が驚いていました。
また、皮は絶対残すのに、初めて食べられました。
美味かった。

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そして、もっと驚いたのは、このステーキ。
大体、この手の皿で出されると、冷え始めているのに、
本当に焼き立てで、外がカリカリ、中がジューシーという
絶妙な焼き加減でした。
「柚子こしょう」で頂くのですが、カボスとあいまって、本当に美味しい。

久しぶりに奈良の日航ホテル以外で、美味いと思ったステーキでした。

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デザートも美味し。
イチジクのコンポートは絶品。

ロビーにも、たくさんのソファーが置いてあります。
こちらには、たくさんの書物があります。
日がな一日、読書して過ごすこともできますね。

ロビーにはご自由にと、お茶と果実酒の用意があります。
これまたアンティークな。

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別棟に、レンガ造りの談話室があるというので、
外に出ました。ものすごい寒いです。
秋というより、冬の寒さです。

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談話室には、大きな蓄音機と書棚。
これまた、ご自由にとコーヒーや紅茶などが置いてあります。

美術品なども置いてあり、個展が開かれておりました。

箱に入った風景。
無機質で、だけどとっても惹かれる風景です。

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今日は、蓄音機でのレコード鑑賞会はお休みとの事。
残念だけれど、お茶をして帰りました。

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廊下にもたくさんの本。
廊下に置かれた調度品も素敵。

こちらの旅館では、名前を言わなくても、顔で覚えてくれるらしく、
変更事項があったので、伝えに行って、「あぁ、部屋番号言い忘れた」と、
戻ると、名前を言ってから対応してくれて、ビックリ。
レストランのスタッフの方は、東京から来たことを言っていないのに、

把握していてたし。

こちらから聞きたいことを事前に色々タイミングよく
教えていただき、どうしたらいいかなどと、
聞く必要もなく、大変快適でした。

寝る前に、勿体ないので、檜の内風呂で温まってから寝ました。

『明日は湯布院観光』