新幹線で大阪へ。
高野山を目指します。
人生日々ぶつかり稽古 洋裁作品をUPしています。 他に旅行記や闘病記なども。
「来年の桜は見られるだろうか・・・」
そう、ととさんが言いだした。
そんな矢先、主治医から「次回は家族でいらしてください」のお言葉。
術後5年を迎えて、歓喜に沸いているところだったのに。
「アービタックスが効かず、腫瘍マーカーも上がり、
そろそろ今後の治療方針について、ご相談したいと思ってお呼びしました」
肝臓、肺に転移した癌が、5㎝ほどに成長し、
CEAも92.80をマーク。このところ平均は80代らしい。
最初は、劇的に効いて腫瘍の縮小まで見られたが、
それもほんの1年くらいの間でした。
ととさんが、最近しきりと自分の死期について語りだし、
「来年の桜は見られるだろうか」と口にするようになったらしい。
母が「来年の桜を見せてあげることは可能でしょうか?」と先生に聞くと
「絶対、見られます!とは言えない状況なんです。
人の生き死には、誰にもわからないです・・・としか言いようがないんです」
先生も「正直、5年も頑張れるとは思っていなかったんです」
いやいや、私もですって。
・抗がん剤をやめてしまう
・アービタックスを続けながら、時間を稼ぐ
・新しい、ベクティビックスを試して時間を稼ぐ
以上3点の提案をしてくれました。
まったく抗がん剤をやめてしまえば、体の調子は一時よくなるが、
悪くなるのも早い。
効かないアービタックスの代わりに、同じような効能をもつ
ベクティビックスを使い、様子を見る。
しかし副作用の出方次第で、また辛いことになるかもしれない。
どれも辛い選択です。
ととさんは、別室のベットに寝かされ、
効かないと分かっているアービタックスの投与と
自分抜きで話をしている様子に、憤慨のご様子。
でも、答えは案外簡単に決まりました。
「新しい抗がん剤を試してみる」
本人も「やってみる」と。
(しかしながら、ととさんは、母と私と先生の
やり取りを知りません。)
死期を覚るっていうのか、そういうのってあるのかなぁーって。
「来年の桜はみられるだろうか」と言いだして、
先生に緩い余命先刻をされるなんて。
時間をかけて見守っていきたいと思います。
『生きざまを見せてくれ』
しろみ