昨日、父親が抗がん剤治療のために4度目の入院をした。
1年足らずで同じ部屋に戻るとは・・・。
父親の入院手続きを終えて、ベット周りの身支度を整えていた。
居る場所を探しているような、ウロウロする父。
担当看護師と面談し、父が落ち着いた頃に職場へ直行した。
仕事が終わり、面会へ行く。
点滴をしながら寝ていた。
「ポート埋め込んだの?」と聞くと目を開け、うんざりした顔をした。
「また、切られた。体中傷だらけだよ・・・」
右側の鎖骨下を見ると、痛々しい傷跡。
「あぁ、フランケンな傷跡だね・・・」
点滴はセファメジンαと書いてあって、名前をメモ書きしていると、
「抗生物質だって」と父親。「あぁ、化膿止めだね」と話すと
「抗がん剤始めたんじゃないの?」と聞くので
「明日からでしょ。ポートの様子も見なくちゃいけないし」と言うと
「なんだ、じゃぁ気持ち悪くない」と急に元気になりだした。
「抗がん剤だと思ってたの?」
「そう」
「で、なんか気持ち悪いと思ってた?」
「思ってた」
「で、今は?」
「別に」
『・・・・』
王道の、病は気からです。
ポートの埋め込み作業は、やはり気持ちの悪いものだったらしいです。
局所麻酔のため、意識はあるし、他の感覚もあるので作業がまるわかり。
「先生達が、ヒソヒソ話すから、なんかマズイの?
『あれ、あれ?入らない』とか言うし、なんか骨にコツコツ当たるし」
またうんざり顔だ。
ポートを埋め込んでくれた先生は、主治医ではなかったが、
その先生に「新しい抗がん剤は、前のより強くなるんでしょ?」と聞いたところ
「そうですね、強いものですね」と答えられたという。
それを聞いた父親は心配して私に話したが、
主治医に聞いたときには、前とそう変わらないと言っていた。
本当は副作用が増すものだったとしても、
心配させまいとして言ってくれたような気もするが、
そんな心遣いで患者が安心感を持てるなら、
言葉を濁したとしても、私は先生を責めることはしない。
なんでもハッキリ言えばいいというものではないと思う。
たとえ「先生はそうは言わなかった」として訴えられるケースが
増えているとしても、患者の安心感が第一だと思うのだが。
「ハサミでジョキジョキ丸く切られて、その切る感覚が、本当に気持ち悪くて」
そんな話しを聞いていたら、母親がやってきた。
「これで入っているの?動いたりしたら、下にズレないの?」
「ずっ、ズレるってなにがさ?」
「だから、これが、動くたびに下に下がっていくの」
「皮と肉の間に、そんなに隙間が空いてるのか人間は?
服の下のカイロじゃないよ?」
「だって、動きそう・・・」
なんか納得していない母。
父親の横の患者さんは、これから人工肛門閉鎖術を受けるという。
心配でたまらないらしく、経験者の父親が
「本当に、大丈夫だよ。心配ないよ。」と言って励ましたそうだ。
でも、経験者が丸ハゲでは、違った意味で心配も増すわな・・・。
痛み止めを打たれていたので、傷口の痛みは無いと言っていた。
今朝方、父親から電話があったので、
傷口の痛みはどうかと聞いたところ、全然痛みが無いと言っていた。
「お父さん、新しい抗がん剤が気持ち悪い、気持ち悪いって思ってたら、
やり始める前から気持ち悪くなるから、気をゆったりさせてやるんだよ」と言ったら、
「気持ち悪くないよ、気持ち悪くない」と受話器の向こうで笑っていた。
『動かざることポートの如し』
1年足らずで同じ部屋に戻るとは・・・。
父親の入院手続きを終えて、ベット周りの身支度を整えていた。
居る場所を探しているような、ウロウロする父。
担当看護師と面談し、父が落ち着いた頃に職場へ直行した。
仕事が終わり、面会へ行く。
点滴をしながら寝ていた。
「ポート埋め込んだの?」と聞くと目を開け、うんざりした顔をした。
「また、切られた。体中傷だらけだよ・・・」
右側の鎖骨下を見ると、痛々しい傷跡。
「あぁ、フランケンな傷跡だね・・・」
点滴はセファメジンαと書いてあって、名前をメモ書きしていると、
「抗生物質だって」と父親。「あぁ、化膿止めだね」と話すと
「抗がん剤始めたんじゃないの?」と聞くので
「明日からでしょ。ポートの様子も見なくちゃいけないし」と言うと
「なんだ、じゃぁ気持ち悪くない」と急に元気になりだした。
「抗がん剤だと思ってたの?」
「そう」
「で、なんか気持ち悪いと思ってた?」
「思ってた」
「で、今は?」
「別に」
『・・・・』
王道の、病は気からです。
ポートの埋め込み作業は、やはり気持ちの悪いものだったらしいです。
局所麻酔のため、意識はあるし、他の感覚もあるので作業がまるわかり。
「先生達が、ヒソヒソ話すから、なんかマズイの?
『あれ、あれ?入らない』とか言うし、なんか骨にコツコツ当たるし」
またうんざり顔だ。
ポートを埋め込んでくれた先生は、主治医ではなかったが、
その先生に「新しい抗がん剤は、前のより強くなるんでしょ?」と聞いたところ
「そうですね、強いものですね」と答えられたという。
それを聞いた父親は心配して私に話したが、
主治医に聞いたときには、前とそう変わらないと言っていた。
本当は副作用が増すものだったとしても、
心配させまいとして言ってくれたような気もするが、
そんな心遣いで患者が安心感を持てるなら、
言葉を濁したとしても、私は先生を責めることはしない。
なんでもハッキリ言えばいいというものではないと思う。
たとえ「先生はそうは言わなかった」として訴えられるケースが
増えているとしても、患者の安心感が第一だと思うのだが。
「ハサミでジョキジョキ丸く切られて、その切る感覚が、本当に気持ち悪くて」
そんな話しを聞いていたら、母親がやってきた。
「これで入っているの?動いたりしたら、下にズレないの?」
「ずっ、ズレるってなにがさ?」
「だから、これが、動くたびに下に下がっていくの」
「皮と肉の間に、そんなに隙間が空いてるのか人間は?
服の下のカイロじゃないよ?」
「だって、動きそう・・・」
なんか納得していない母。
父親の横の患者さんは、これから人工肛門閉鎖術を受けるという。
心配でたまらないらしく、経験者の父親が
「本当に、大丈夫だよ。心配ないよ。」と言って励ましたそうだ。
でも、経験者が丸ハゲでは、違った意味で心配も増すわな・・・。
痛み止めを打たれていたので、傷口の痛みは無いと言っていた。
今朝方、父親から電話があったので、
傷口の痛みはどうかと聞いたところ、全然痛みが無いと言っていた。
「お父さん、新しい抗がん剤が気持ち悪い、気持ち悪いって思ってたら、
やり始める前から気持ち悪くなるから、気をゆったりさせてやるんだよ」と言ったら、
「気持ち悪くないよ、気持ち悪くない」と受話器の向こうで笑っていた。
『動かざることポートの如し』