水曜日の夕方、父親が再度腹痛を訴え外来に行き、
そのまま緊急入院しました。

「胃が痛い」と母親に訴え、そのままうずくまったそうです。
今の時間なら、主治医もまだ病院にいるはずだと、病院に向かいました。

採血とレントゲンを撮ったところ、
腸閉塞ではなく、胃に原因があるのではとの見解で、
翌日、内視鏡で調べることになりました。

昼頃に連絡を入れると、またイレウスチューブを入れたと聞かされ、
1時間もたたずに「緊急手術をすることになった」と連絡が入りました。

先生の話だと、昨晩まで腸閉塞の兆しはなかったが、
朝には、腹部が膨らみ腸閉塞の症状がでたので、
レントゲンを撮ったが、ここまで悪化すると
手術した方が早いといわれました。

あっという間に手術室に運ばれ、手術室の前で父親を見送りました。
入口が開き入る瞬間、父親が腕を上げ、握手を求めてきたので、
動き出すストレッチャーを追いかけ、父親の手を握りしめました。

2時間足らずで、看護師が手術が終わった事を告げに来ました。

あまりにも速かったので「腹膜播種があり、なにも出来ず閉じました」
と言われるのではと、不安感がつのります。

手術室から出来た先生は笑顔で、
「腹膜播種はありませんでした。見た限り肝臓への新しい転移もありません。
まず転移の心配はありません。腸が二重に絡み合い、このように・・・」と
デジタルカメラで腸を見せてくださいました。

安堵したのもつかの間、なかなか父親が出てきません。
やっと出てきたら、挿管チューブが入ってバッグされていました。
術後、挿管チューブを抜いたところ
ヒューヒューと喘鳴が聞こえ、自発呼吸ができず、
喉を見たところ炎症を起こしており、気道の一部が狭窄しているようで
人工呼吸器につなぐことになりましたと説明を受けました。
手術前にイレウスチューブを入れたりしたので、それが原因でしょうか。

兄がその後来てくれて、状況を説明。
しばらくして面会許可が出たので、ベットに近づくと
意識がない父親がいました。
呼吸器につながれ、目が半開き。
声をかけても反応がなく、両手を拘束されていました。

「薬で眠っておられますので、大丈夫です」と声をかけていただきましたが、
意識の無い父親に、一生懸命話しかけてしまいました。

今日面会に行くと、父親の意識が回復しておりました。
一生懸命話しかけましたが、父親は何か訴えたいらしく
私の掌に何か文字を書きますが、一向に判りません。
そのたびに、話そうとして、苦しそうです。

そこへ主治医が来て、挿管チューブを抜くことになりました。
「しばらく様子を見て、ダメならまた入れますが、とりあえずは
大丈夫でしょう」と言われました。

短時間の手術だったので、麻酔の後遺症もなく、
すぐに会話ができました。
ただ、少し聞き取りにくいところはありましたが
なんとか大丈夫のようです。

後はまた、傷口の回復が気になるところではありますが、
とりあえずは、腸閉塞の原因もわかり一安心しました。
腸閉塞でガスが出ず、胃が圧迫され胃痛をともなったのが
原因だとは思いますが、落ち着いたら、内視鏡検査もして
もらおうと思います。

そうそう、今回も母がやらかしてくれました。
人工呼吸器につながれた父親を見た後で、
「お父さん、いびき かいて寝ていたね」と。

たしかにズゴォーって音はしてますが、
お母さん、あれは人工呼吸器の音であって、いびき じゃありません。
「あら、そう?」
こんな母でありあすが、だからなのか、
家はまだまだ大丈夫です。やっていけます。


『お疲れ様でした』