TS-1、FOLFOX、ゼローダと続けてきた抗がん剤治療ですが、
今度はアービタックスという、昨年の夏に認可されたばかりの
抗がん剤治療を始めることになりました。

抗がん剤治療の切替時になると、
どういうわけだか、自分の仕事休みと重なるので、
今回も付き添いで病院へ行きました。

アービタックス(一般名:セツキシマブ(遺伝子組換え)というのは、
EGFR(上皮細胞増殖因子受容体)を沢山もった癌細胞を狙って、
細胞分裂のスイッチとなるEGFRが働かないようにする薬だそうです。

人間誰でもEGFRという「たんぱく質」をもっていて、
この「たんぱく質」が細胞のサイクルをコントロールするしくみに
深いかかわりがあるそうです。

EGFRは細胞分裂のスイッチのようなもので、
細胞分裂が必要な状態になると、
スイッチがONになり、細胞の分裂が始まり、
必要な量の細胞が出来たらOFFになるんだそうです。

しかし、がん細胞は沢山のEGFRを持っているそうです。
なるほど、だから通常の細胞より早く分裂、
すなわち進行していくわけですな。

このEGFRのスイッチをOFFにするような治療をすれば、
がん細胞もふえなくなるのでは?
ということでEGFRを沢山もった、がん細胞を狙い撃ちして
治療する「分子標的治療薬」のアービタックスが開発されたそうです。

正常な細胞を壊さず、がん細胞だけに効く。
最近はそんな「分子標的治療薬」というのが増えてきたようです。

さて、父親が新しい抗がん剤に変わるといわれて、
数ヶ月経ちましたが、なぜそんなに遅くなったのか?というのが
本日わかりました。

このアービタックスの治療をする前に、EGFR検査というのがあったようです。
手術時に採取したがん細胞を使って、がん細胞にEGFRが見つかれば、
EGFR陽性と判断され、アービタックスの効果が期待できるため
治療を行うそうです。

父親が手術したのは2006年6月ですので、
2年半以上も、そのとき採取した「がん細胞」を保存しているのですね。
どうやって保存されているのか、知りたいです。
では陰性と出た場合は?というと、治療は出来ないそうです。

そして、父親は陽性(+)と判定されました。
先生の話しだと、約8割の人が陽性と診断されるそうですが、
父親の受診している病院では、検査した5人中、
父親でやっと2人目なのだとか。

アービタックスの主な副作用は
・にきびのような発疹
・皮膚が乾燥する
・皮膚にひび割れができる

この予防薬として、抗ヒスタミン剤を投与後、
アービタックスを投与するそうです。

初回と2回目は入院して投与。
後は外来でよいそうです。

「皮膚の発疹はコントロールが可能なので、扱いやすい副作用といえます」
とあるが、既に投与中の患者さんのブログを見たら
発疹に相当悩まれているらしい・・・。

来週から投与を開始。また出直しです。

『やれるだけやる』 by父。